技術部 材料開発課
2019年入社
工学研究科機械系専攻修了
地元でモノ作りに携わる会社に入りたいと考え、大手を含め、製造メーカーを中心に色々と調べていく中で、実際に説明会に参加して話を聞いてみると、すごく雰囲気が良さそうな会社だと感じたのがこの会社の第一印象でした。工場見学もさせていただき、ここなら自分も馴染めそうかな、と思って入社を決めました。入社してみると、自分の思っていた通りのとても働きやすい会社でした。周囲の方々が丁寧に仕事を教えてくださったこともあり、自然と馴染むことができたのはもちろんですが、自分のペースで仕事をすることが出来るところがとても大きかったと思います。大学院の研究室では、決められた段取り通りに研究を進めるのではなく、自分で段取りを立てて研究を進めていくというスタイルで、自分にはこのスタイルが合っていると思っていましたので、与えられたテーマに沿ってこつこつと仕事ができるスタイルは、とても自分にマッチしていましたね。もちろん、はじめは先輩が付いてくれて色々な助言をもらいながら進めていくのですが、細かな部分はある程度裁量を与えられるので、気が付くと最初の実験計画から実際に作るまで一通りできるようになっていました。
現在は、超硬合金の新材種開発、製造技術の改良等にメインで取り組んでいます。課題解決の為の研究もありますし、顧客からこのような素材が欲しいという要望が営業を通じて上がってくることもありますが、まずは、それらの課題や要望に対して上司が大まかな方針を立て、その方針に基づいてどういったものを作るのかというテーマが与えられますので、そのテーマに沿って開発を進めていくという流れになります。私たちの業務は、新しい素材を開発したら終了というものではありません。製品になった時にどういう挙動になるのかをテストすることもありますし、実際に製品となり市場に出るまでが私たちの仕事です。その為、良い製品を生み出していくには、他の工程の方との連携も非常に重要になってきます。私自身、コミュニケーション能力が高い方だとは思っていませんが、製造現場には良く足を運び、できるだけ話をするようにしています。実際、研究者の立場と製造者の立場とで意見の食い違いが生じることがあり、時には議論が過熱することもありますが、作る側の立場にも立ち、作業困難な箇所を考慮して細かくサポートや指示を行うように心掛けています。
まだ1点だけではありますが、私が開発した素材が市場の製品に使用され、徐々に使用される製品も増えてきています。自分が考えたアイデアが実際の製品に反映された時、この仕事をやっていて良かったな、とやりがいを感じます。また、焼結前の超硬合金は密度が焼結体の半分なので、チョークの様に柔らかく焼結による収縮率が大きいため、非常に寸法公差が大事になってきます。製品が収縮した後の寸法を狙って作らないといけないのですが、どうしても焼結するときに変形したり寸法が歪んだりするので、その改善のために主担当として取り組んでいます。一辺あたり80%くらいになりますので、体積にすると三乗した50%~60%くらいになる計算ですが、製造方法によって誤差も生じますし、熱のかかり方によっても差がでてきますので、そこを工夫して作業を行わなければなりません。焼結時の変形の抑制は永遠の課題ですが、現場の方々が良く協力してくれますので、このように焼結してほしいという指示を出して連携して作業を行っています。実際に効果にも現れてきているのを実感していますので、そこはやって良かったかなと思いますね。
学生時代は旅行で鉄道を見に行ったりもしていましたが、最近は自宅で過ごすことが多く、YOU TUBEで車窓の動画などを眺めたりしてリフレッシュしています。始業時には構内放送でラジオ体操が流れますが、それで毎日仕事モードと切り替えるようにしています。